「さようなら」も「はじめまして」も「大好きだよ」も全部

二丁魁の二人体制が終わりに近づくにつれて、「ジジババ期ありがとう」「愛してる」というようなフレーズが二人から聞かれるようになった。今、意外にも私はそれを素直に受けとっている。appreciateというのかな。あるいはこういうのを「受け入れる」というのかな。

 

 

二丁魁(にちょがけ=二丁目の魁カミングアウト)を好きになったのは、今から三年前のことだ。

 


耳をすませば [LIVE] / 二丁目の魁カミングアウト【2017.12.18(月)BLINKLIGHT RECORDS presents ZOETROPE】

 

おおよそ三年間のうちの直近一年弱、振り返ってみれば昨年末から「お知らせ」が相次いだものである。
昨年12月に1名が体調不良により脱退、1月上旬の中野サンプラザ公演こそ残った3名で成功したものの、その後も6月にFCが終了(コロナ禍による特典提供機会の不足のため) 、さらに1名がグループでの活動を終了と、どれをとっても致し方ないことながら、心穏やかにはいられない報せが続いた。

 

三年前は四人体制だったグループは、ひとりの脱退とひとりの活動終了を経て、活動歴の長い二人が残り、彼らはそれを「ジジババ期」と呼んだ。

 

 

 

そして明日、しばらく続いた二人のジジババ期が終わる。オーディションに合格した2名の新メンバーが加入することが発表されたのは、つい先日のことだ。

 

今でこそ穏やかに「新メンバー二人が加わった四人体制のパフォーマンスを見てみたい」「ミキちゃんとぺいちゃんが太鼓判を押した人たちだから安心」と思っているけれど、このジジババ期の最初のうちは、正直なところ気力も時間もなくて、二人の二丁魁を積極的には追いかけられなかった。

これは「コロナで一切ライブができない」すなわち「現場がない」という状況によるところも大きかったけど、春先からしばらく経って彼らが情勢に応じた活動を始めてからもなお、通販も配信も特典会も、告知ツイートは目にするのに、私はまるで動けずにいた。何がどう辛かったってわけでもないはずなんだけど。

 

夏頃に私はこんなことを書いていた。

2人体制の二丁魁のこと、ステージに立ってライブしてる姿を見ちゃったらなんか本当に二人になっちゃったって感じてしまうんだろうなって思って最近はちょっと避けてたんだけど、結局あっとじゃむの視聴チケット買いました。

 

好きなんだけど、ちょっとしんどいな。人はこうやって推しから遠ざかってしまうものなのかな。

 

このままなんとなくフェードアウトしていくんだろうなという、諦めを含んだ予感がこの時はあった。こういうのを他界っていうんだな、とも思った。

 

ところがどっこい。
偶々うまくタイミングが合って、二人の有料配信(ここ数か月定期的にやっていた)をリアルタイムで見た。
スタッフを交えてのトークと、後半にはライブ。
そのどちらか片方が背を押したのではないように思う。たぶん、どちらにも背中を押されて、私はその後の特典会(ビデオ通話)のチケットを購入した。実に一年ぶり近い接触だった。


一年前と大して変わらず、私はやっぱりひどく口下手だったけど、「二丁魁が好きだ」「二人のことが好きだ」「日常生活の中で今もずっとあなたたちの曲を聴いている」そんなことを、なんとかかんとか自分の口で伝えた。
それからの日々は、三年前の今頃となんだか似ていた。急に好きになって、曲も全部は知らないままにライブに行って、そしてもっと好きになった、その時の気持ちと似ていた。

 

そうしてようやく足を踏み入れた私の「ジジババ期」も、もうすぐ終わる。今日、11月11日が新メンバーのお披露目ライブだ。*1
最後の最後、それでもどこか消し去ることのできなかった心の澱は、ついさっきなくなった。「あなたへ」とタイトルのついたこのブログを読んだことで。

 

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ブログの文章に、心を打たれた。私が救われたあの曲やあの曲を書いたミキティー本物その人の言葉だなって実感したから。そして、その洞察力に涙を流した。


新体制始動の日には、どんな言葉がふさわしいだろうか。
確かにひとつの門出ではあるけれど、ワンマン開催とかアルバム発売とかのように「おめでとう!」とだけ言うのも少し違和感があるような気がする。
「(ジジババ期に)さようなら」も「(新体制に)はじめまして」も「大好きだよ」も全部ひっくるめて伝えられるような言葉があれば使いたいところだけど、そんなものは見当たらなくて、考えた挙句に浮かぶのは「ありがとう」と「これからもよろしく」なのだった。

 

*1:11/11(水) 21時~ 無料配信ライブ『This is not the Parallel World』YouYubeにて