you って me ですか?(前編)

いささか日は経ちましたが、推しの初センター曲発売に際しての、いちオタクの心境を書き残しておくことにしました。前編。

 

 

2020年2月28日。MeseMoa. 7thシングル「烏合之衆」発売。
私の推し(の一人)であるフォーゲルさんの初センター曲は、連日のTwitterでの動画投稿や、ティザー映像の公開などこれまでにない盛り上がり*1を経て、発売日前日にMVが公開された。

 


【MeseMoa.】烏合之衆 [Disorderly Crowd]【7th single】

 

内面は顔つきに表れる(12月24日)

烏合之衆にまつわるあれこれを綴ろうとするとき、私の記憶はその発表があった昨年末のカウコンよりも少し前、クリスマスイブにさかのぼる。

12月24日、それは秋から始まったTT6ツアーの追加公演にして、ファイナルの日だった。この日の感想を端的に述べるならば「顔がいい」、これに尽きる。

 

 

 

一緒にいた同担とも話したけど、とにかくフォーゲルさんのビジュアルが良すぎたのである。お顔立ちがとってもきれいで、きれいで、きれいだった。
かわいいっていうより「きれい」とか「美しい」とかいうのがより相応しい感のある顔をしていたのだ。本当だってば。
たとえば、フィギュアスケートの選手が自己ベストとか出すときって、リンクでその顔に特別な美しさが宿ることが多い(ように見える)ものだけど、それによく似た、正直ちょっと怖いくらいの輝きを放っていた。
メイクさんもついてたようだけど、あれはそれだけで片付けられる美しさじゃ到底なかった。
彼の顔つきに圧倒された私が、この時ぼんやりと想像したその美しさの理由は「何か個人仕事でも決まったのかな?」ということだった。発表は年が明けてからかしら、なんて。

 

それが革命とまだ知らずに(12月31日)

東京・豊洲でのツアーファイナルから一週間、まだまだクリスマスイブの余韻を残しながら、迎えたカウコン。
前日から大阪入りして、親しいオタクと前夜祭*2をやって、食べたり飲んだり咽び泣いたり*3して過ごした。朝が来てからは、物販だ個握だ引換だ取引だとせわしなくしているうちに、すぐに夕方だ。年の瀬の日暮れは早い。

1部のライブ終盤、ここでなんらかの発表があることは誰もが予想していた。クリスマスイブの時点で「今はまだ言えないけど発表を用意してます」という旨の予告があったからだ。ここで次のツアーに関する発表があることも、当然に予想の範囲内であった。
流れ始めた告知映像。 *4
"GALAXY.5"と題されたツアーの日程が表示されている。
日付が並んでいるが、すぐには曜日がわからない。会場名を見ても、それぞれがどれほどのキャパなのかぴんとこない。ただ、また来年も全国ツアーがホール規模で行われるのだという、それだけで胸が弾んだ。
"Maze No.9"から9→8→7……と続くカウントが、とうとう5まで来た。今度はどこへ行けるかな。うまく休みが取れるといいな。

そして間髪入れずに告知される、改名後7枚目のシングルの発表。
スクリーンに「フォーゲル センター曲」と映し出された直後の、耳ではなく全身が感じたホールじゅうの歓声をありありと覚えている。あの時、私もそのどよめきの一部だった。たいていのことでは声を上げない自分の口から、悲鳴が上がるのがわかった。
だって、こんなの予想外だ。あまりにも予想外だ。

 

 

隣で連番相手(緑推し)が崩れ落ちたのがわかった。
数ヶ月前にはやはり彼女と隣り合って、推しのソロ写真集発売の報を聞いたのだったな、と真夏のパシフィコ横浜を思い出す。
続けて、パシフィコ横浜公演がファイナルだったCH.8ツアーの演出を思い出す。
1部でメンバーが一人ずつ登場する際の曲が、基本的にセンター曲かソロ曲だったのだけど、彼だけはそのどちらもまだなくて、もう何年も前のユニット曲が使われていたのだ。
それを悲しいとかさびしいとか感じることはなかった。ただ、今にして思えばどこか歯痒くはあった。彼にセンター曲やソロ曲ができたら、心からそれを祝福したいと思ったし、まだ見ぬその曲が彼を代表する曲あるいは象徴する曲として定着する未来を、漠然と期待した。*5
その未来がどうやら、急に現実味を帯びて近づいたらしい。

 

終演後。親しいオタクとすれ違うたび、みな口々にライブの感想や発表への驚きを言い合った。それに混ざろうとしたけど、どうにもうまく言葉が出てこない。周囲の会話に、ただ頷いてばかりいた。
2部まではしばらく時間があった。コンビニで食べるものを買って、いったんホテルへ帰る。部屋へ戻るまでずっと落ち着かないまま、私は大して泣くこともしなかった。*6
その道すがら思い至った。あの日の美しさの理由はこれか。あれはセンター曲の大々的な発表を控えた顔だったのではないか。
えらいこっちゃ。いつだってステージの上の彼は輝いて見えたけど、それにしても常ならぬあの美しさだ。いったいどんな曲が作られてしまうんだろう。ぞくぞくした。
ホテルでは便箋一枚の短い手紙を書いて、おめでとうの言葉と、あなたをセンターに据えて作られる楽曲が楽しみだという旨を綴った。
この時の私はまだ、やがて来るそれが革命だとは知る由もない。

 

後編へ続く)

 

*1:一連のプロモーション、まじで欲目じゃなくこれまでにない感あったよね???

*2:カウコンゼンヤサァイ!

*3:Mazeファイナルを見てしまったのが敗因。同宿諸氏、その節はすみませんでした。

*4:今になって公式のツイートを見返してみると、この発表動画の音楽がZENBUのアレンジなのだ。「全部 君とだった」からの「キミはきっとこう呼ぶだろう"革命"」、なんてこった。

*5:https://honetokokoro.hatenablog.com/entry/2019/07/30/005018

*6:後日聞いたところでは、この時の私は、私自身の記憶(言葉は出ないなりにしっかり振る舞っているつもりだった)とは違ってずいぶんポンコツというか、すっかり放心状態だったらしい。「話しかけても返事がなかった」「目線があわなかった」「何も喋らなくてまるで人形」等々。先の連番相手をはじめとして周囲の同担がずいぶん泣くので、私がしっかり介抱しなきゃくらいの心持ちでいたはずだったんだけどな。